あとは頼みます。

ここまでは考えたので…

【読書】会議ファシリテーションの基本がイチから身につく本

【本の読書記録パート11】

筆者:釘山健一
表題:会議ファシリテーションの基本がイチから身につく本

「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本

「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本

要約

内容(「BOOK」データベースより)
たくさんの意見が集まり、結論は全員合意、しかも時間厳守。
それが“ファシリテーション”の技術です。

恩恵

  • 会議で結論を出すことだけに焦点を向けない。
  • ロジックだけで人を動かすことはできない。なぜなら人は心(感情)で生きている。
  • 合意を図るには、みんなで一人の話を聴くという姿勢を持つ。
  • 話を引き出すには、会場の雰囲気作りが重要。
  • 会議に動きを与えて、主体性を持たせる。

内容

合意形成型会議とは
  • 体全体を使い、新しいものをつくり出していくクリエイティブな現場
  • 会議の目的を「決める」ことから「参加者が納得する」ことに変えた会議
  • 参加者の主体性と可能性を引き出しながら、結論を導き出す場である
  • 会社で自由にものが言える会議が行われるかどうか…「組織の縮図」
  • 日常的に行う細かいことを決める会議ではなく、問題解決、目標設定、企画立案などがテーマとなる重要な会議に用いる。
  • 多数決で決めても文句が出ない(少ない)会議である。
ファシリテーターとは

ファシリテーションとは「技術」である。

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ファシリテーターの技術は奥が深く、それを極めるには大変な努力と経験が必要だが、その中には誰でもすぐ使える技術もある。

会議で決めても実行しないのは、参加者が会議で決定したことに納得していないから。このようにあたりまえのことが、今までの会議では無視されていた。
ファシリテーターは、思いを十分に吐き出せる自由な雰囲気をつくる技術である。「意見を整理する」というのは「合意」を図るためのひとつの手段にすぎない。例えば、意見を整理する手段のひとつとして代表的な「ロジカルシンキング」という思考法があるが、こればかり学んでも会議の参加者の合意にもっていくことはできない。

  • 議題を選ぶ
  • 雰囲気をつくる
  • 合意形成サイクル(個人→グループ→全体の順に話し合う)

雰囲気を作る

合意を図るには自由に雰囲気を作ること、そして参加者全員の合意を得ることである。 できるだけたくさんの意見を引き出すこと。 合意形成型会議には落としどころはない、あってはならない。リーダー的な人が「議長」をやって、自分の思うとおりの結論を導いてはならない。

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議長は会議の一番の楽しさである「意見を整理する」ことを、参加者から奪っていた。
「みなさん、今出された意見を整理するとどうなりますか」と問いかける。 自分で意見を整理するのではなく、参加者に整理させる。 ただし、通常の場合時間がなくなって参加者に任せておいては結論が出ないという状況はよく起こる。そのときは、ファシリテーターがリードして整理する。

まず人の話を聴くこと

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合意形成型会議では、個人で考える以上の考え方を作り出す場であり、基本は相手の意見を聴く事にある。 「今の意見に対して何か意見はありませんか」ではなく、「他に意見はありませんか」が正解。 人の話をよく聴くことのできるあらゆる場面で求められている。ファシリテーションを学んで実際に実践した人にそのときの感想を聞くと、「意見を言いたいのを我慢するのが大変だった」というのが1番多い。それくらい人は、自分の意見を言いたい。

【会議の成功は雰囲気作りにかかっている】

会議が息苦しい理由
  • 参加者:少しでもいい意見を言わなくてはならないという緊張感
  • 議長:会議の結論を落としどころに落とせるかどうかという不安
  • 全員:会議とはまじめにやるものだという思い込み

楽しくなければ会議ではない。楽しさには人の主体性と可能性を引き出すパワーがある。辛いことを根性で頑張るのではなく、楽しみながら頑張るということが大切である。

アイスブレイク

講座をやるときははじまってから5分以内で楽しい雰囲気を作り上げる雰囲気作りが、会議の成否を分けるといっても過言ではない。本題の前に雰囲気作りのために行うことを「アイスブレイク」という。 例えば、会議の始めに参加者同士の近況報告を行うとよい。事業の進捗報告ではなく、あくまでも私的な出来事を発表し合う。わいわいがやがやと話をする雰囲気を作っておくことが重要。これこそが、ファシリテーターの技術なのだ。 またその際1分間という時間制約を設けるとよい。1分間で話足りないと「笑い」がおこる。1分間という発言時間を体験し、参加者全員に1分で発言する雰囲気が生まれる。

会場の工夫

【場所】
重要な会議では綺麗な会議室(例えば地上20階にある会議室)を使ってみる。人の気持ちを高めることは難しいが、「きれいな会議室」にはその力がある。

【机の配置】
口の字ではなく、長い机を並べて島を作る。島型の机の並べ方が密な雰囲気を生む。

【資料】
必ず目に見えるビジュアルなものを用意する。実物が無い場合は模型、模型がなければ写真、写真がなければ絵や図を用意する。そのとき、各人にひとつずつではなく、何人かにひとつがちょうどいい。資料の出し方も「みんなで考えるように」出すべきである。全員が1点を見つめて話し合う姿こそ、会議の最高の姿である。

【お茶とお菓子】
お茶とお菓子は必需品である。ただ、大げさにお菓子をアピールするのではなくさりげなくやることが重要。

主催者の挨拶

【はじめのあいさつ】
「今日はとても重要なことを話し合います。そこで、どの人も自分の役職はいったん忘れて自由に意見を出し合ってください」と保障する。

【おわりのあいさつ】
「中には納得していない人もいるかもしれないが、この場で決めたことなので当面は全員で取り組みましょう」

合意形成サイクル

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従来の会議は「全体で考える」ばかりで、発言力のある人しか発言できない。

個人で考える

会議の始めに意見を求めることは、会議のはじめから固い雰囲気を作ってしまう。会議のはじめは「発言」させるのではなく「考える」時間にすること。意見の量は、意見の質を担保する。 ファシリテーターの最初の指示はこの「この議題について、自分の意見を5分間お手元のA4の紙に書きながら整理してみてください」これが、全員の意見を尊重するファシリテーターの進行のコツである。いい意見ではなく、とにかくたくさん書き出せばよい。書けば書くほど脳が活性化していくので、よいアイデアが生まれやすい。極端にいうと「どんなつまらないことでも実現不可能なことでもいいから思いついたことをどんどん書き出す」ということが重要。 「すべて書く」だけで参加者はかなり満足する。一人一人の思いを全部吐き出させる。

グループで考える

【会議グッズ】

(1)それぞれの意見を出し合う

  • 大きめ(7.5cm×10cm)のポストイットを使う
  • 多めに準備しておく
  • 3色ほど用意する
  • 文字は大きめに書く(最大文字数は50文字)
  • 1つの意見は1枚のポストイットに書く
  • 書き出す時間は5分〜10分
  • サンプルをホワイトボードに貼っておく

(2)意見を整理する
意見を選ばせるのではなく、ひとつにまとめさせる。
ファシリテーターがやらずに、グループのメンバーがやる。ロの字ではなく、コの字で座るのがポイント。

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①:模造紙に全部はり出す
②:似た者同士をくっつける
③:集めたものをマジックで丸で囲む
④:丸で囲んだ意見に見出しをつける

(3)さらにいい意見をみんなで考えて、ひとつの意見にまとめる
ここで大切なことは「いい意見を選んでください」=(対立)ではなく、「ひとつの意見にまとめてください」=(共同)と言うこと。個人の考えた意見から選ぶのではなく、みんなの意見を参考に個人で考えた以上の意見を、みんなで考えるということ。

全体で考える

各グループは2分程度の発表をする。グループ討議の中で採用されなかった意見をもう一度発表するチャンスでもある。こうして、個人→グループ→全体で繰り返す。

<自信を持って多数決で決める> 合意形成型会議だから多数決で決めてはいけないと感じている人もいるかもしれないが、最後は自信をもって多数決で決める。同じ多数決でも既存の会議とは、中身が異なる。80%の策かもしれないが、とにかく全員が一致して一度は取り組んでみる組織の方が強い。お互いを尊重し、実行力のある組織となる。

主体性を発揮させる

【会議を自分たちでつくる意識を根付かせる】
会議は参加者全員で力を合わせてつくるものである。
複数用意する
・少し多めに用意する
・余分なものまで用意する

時間を守る

大事なときほど参加者に決めさせる。残り10分で意見がまとまらない場合は、参加者に「あと10分しかありませんが、みなさんどうしましょうか」と問いかける。このコトバを連発する。参加者に問いかけるほど、主体性を引き出す最も大切な技術である。 「今日の会議は◯◯時が終了予定です。必ずこの時間までに結論が出るようにご協力をお願いします」と、はじめに時間を守ることを宣言する。また、この宣言はファシリテーターではなく主催者が行うともっと効果的である。時間が守れないのは、参加者に責任がある。

<時計係を交代制で任命する>
時間を守るという意識が身につく。人はストップウォッチを持つだけで時間を意識するようになる。

方法①:口頭で知らせる
「あと、何分です」というカウントダウンで常に時間の意識をつける。  

方法②:視覚で知らせる
ホワイトボードに時間を書いておくのも効果的な方法である。

<ホワイトボードが主体性を引き出す>
話し合いが進んできて、少し複雑になってきたときがチャンスである。こういうタイミングで参加者に「みなさんどうですか?」と問いかける。そうすると、誰かが手を挙げるので参加者がホワイトボードのところに出て来て、書きながら発言させる。発言マンの特徴は動かないこと。まず、会議に動きをつくることで主体性を引き出す。
会議後には記録する。メール等で情報共有するとよい。

  • 縦三分割法(あらかじめ議題が決まっているノーマル型)
  • 放射線法(自由な発想を生み出したいときに便利)

感想

ファシリテーターの仕事は考え方を整理するのではなく、考えを引き出すことにある。 会議は個人で考える以上の考え方を作り出す場であり、基本は相手の意見を聴く事にある。 お互いの意見を聴き合うことで、個人で考える以上の考えが生まれる。

人の話を聴くって本当に難しい。

また最も響いたのが、「ロジックだけでは人を動かすことはできない」という主張。ロジックは人の意識を変えるための方法の一つにすぎない、理論を盾にして人に突きつけない。うちの職場でも理論を用いて発言力を持つ人が「仕事ができる」というイメージをもたれているけど、その違和感の原因が分かったような気がした。

今後、家族会議を継続して行い手法を確立していく。
ロジックも勉強しつつ、合意形成の手法を学んで行きたい。

参考記事

fukaihanashi.hatenablog.com

おわり。