あとは頼みます。

ここまでは考えたので…

【読書】「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす

【本の読書記録パート19】

筆者:田中康雄、笹森理絵
表題:「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす


発達障害とは

発達障害者支援法では「自閉症アスペルガー群その他の広汎性発達障害学習障害注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されている。さらに厚生省のウェブサイトでは「発達障害とは生まれつきの特性で、『病気』とは異なります」と紹介されている。治療として治る類のものではない。

一見してとくに変わったところがなく。知能が正常の範囲内であれば、見つけられないことも珍しくない。その多くが、あらためて発達障害の検査をうけることもなく成長していく。発達障害は子どもに特有の症状で、年齢が上がるにしたがって改善されるといった誤った説が、専門医のあいだでもまかり通っていた。 知的障害を伴わない発達障害への対応が始まったのは1990年代のこと。

大人の発達障害については、家庭や職場で発達障害による「生きづらさ」を感じている人が多いわりに、社会の理解が深まっていない。生活上のトラブルがたびたび起きても、その原因が発達障害の特性によるものだと本人が気付いていないことが少なくない。何か失敗するたびに「自分の努力が足りないからだ」と悩む日々を過ごしているケースも多い。

大人の発達障害の正体

社会人になれば、学生時代にりも広い範囲で他者と関わるようになり、家庭では家事や子育て、職場では仕事というように一定の役割を果たすことが求められる。その一方で、学校などのように適宜、指示や応援をしてくれる人が少なくなって行く。自分に課せられた役割がうまく果たせないと、叱責されたり、自分を責めたり、他人と衝突したりして、あらためて「生きづらい」と強く意識されたりするようになる。そのような人が悩んだ末に病院を訪れ、そこで初めて発達障害と診断されるケースが少なくない。

社会的には何不自由なく暮らしているように見えても、発達障害がある人は一様に「生きづらさ」を感じている。人間関係がうまくいかない、遅刻や忘れ物が多い、すぐ道に迷う、片付けができない、その場の空気が読めない、仕事に集中できない、ケアレスミスが多い…発達障害の特性が原因となって起こるトラブルや悩みや実にさまざま。もし本人が早くから自分の発達障害に気付いていれば、専門家から適切な療育や指導を受け、日々の生活や仕事のなかで自分の障害に応じた対策を講じることができただろう。

周囲の人はそのために生活や仕事のうえで少なからず影響を受ける。こちらの意図や気持ちを汲み取ってもらえない、言葉や態度に傷つけられる、約束が守られない、突飛な行動に振り回される、自宅が「ゴミ屋敷」になっている…等々、周囲の人たちも強いストレスを受けているケースもある。

また、発達障害の特性は、その人が置かれている環境によっても現れ方が変化する。例えば勤務先で異動になり、新しい職場で上司の方針や働く環境が合わないために、これまで以上に特性が目立ってしまうことがある。

カギをなくしがちな人はたしかにいるが、「1年間に何回なくせば発達障害」というわかりやすい基準はない。発達障害は白か黒かで判断されるものではなく、発達障害度(という言葉はないが)ゼロから100まで分布しているというイメージ。程度はあるが、すべての人がその要素を持っている。

タイプ別

PDDタイプは農耕民族、ADHDタイプは狩猟民族。
自分の特性をよく理解すれば、他人に衰えないどころか、それ以上の成果をあげる方法が見つかるかもしれない。

(1)ADHD(注意欠陥・多動性障害)タイプ

不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のこと。
会話の最中に相手の口にした一言が、自分に取って関心の強い事柄だと、そこから自分が思いついたことに話題をかえてしまうことがある。枝葉末節なことでも、自分が関心のあるキーワードが聴こえると意識を奪われてしまう。自分の興味や関心が行動の基準になるため、関心が高い仕事は必要以上に手をかける。優先順位が決められず、他のことがいろいろ気になり、本来の仕事が進まないまま作業が遅れてしまう。

(対策)
仕事を小出しにして、集中力を持続させる。 ※全体像を渡した方が、見通しが立ちやすい人も中にはいるので、個々に合わせた仕事の渡し方を見つける。

(2)PDD(広汎性発達障害)タイプ

コミュニケーションと社会性に障害があり、限定的・反復的および常同的な行動があることを特徴として分類される発達障害のタイプ。 「マルチタスク」が苦手。他人との会話でも、話すと聴くを同時にできないため、話のわからないヤツだと思われる印象を持たれる。相手に理解されない経験が多いと、対話そのものが億劫になり、無口になる人もいます。職場では「余計なことは言わない」「言われたことだけやる」という姿勢を守り、自分の考えや気持ちはほとんど表現しない。相手と話が噛み合ないときは、互いに同調していくことが重要になる。
周りがざわざわした空間では仕事に集中を欠くことがある。自分の感情を言葉にするのが苦手。たとえば子ども時代の作文で、事実関係はきちんと説明されているのに、自分の気持ちは述べていない文章が見られる。「運動会の思い出)なら参加した競技についての状況説明は細かいのに、どう感じたかは書いていない。

(対策)
本人の適した環境をつくる。場所を変えて気持ちを切り替える。重要な仕事は静かな環境空間をつくる。オフィスではなく喫茶店のほうが仕事が捗る人、立ってパソコンを打つほうが捗る人、オープンスペースで身体を動かしながら働くと効率のよい人など、その人に合った働き方があるもの。

(3)過集中タイプ

いったん仕事に集中すると、その仕事を途中でやめることができない。

(対策) タイマーを活用する。スケジュールを作成する。過集中の状態は、かえって仕事の効率が悪いと心得る。

感想

発達障害のある方の人生の目標は、障害特性をなくすことではなく、「その特性をもっても生きづらさが浮上しない生活を構築すること」 生きるということは、常に難しさと向き合うことで、しかし、それでもささやかな成功体験があることで、僕たちは、小さな達成感と生きがいを感じ、明日を信じることができるようになるのです。

*考え方の順序
①:生きづらさの原因(自分にとって苦手なこと)は何かを認識する。
②:苦手なこととの向き合い方を考え、避けられるのであれば避ける。
③:適性を活かす場所で生活する。 ただし、適性は自分で見つける。探す。

人の成長を妨げてしまう最大の要因は、自己否定感を持つことにある。
課題に対して真摯に向き合っているのであれば、努力不足が原因ではない。そう感じてはいけない。
見返してみると「さあ、才能に目覚めよう」でも同じことを書いていた。

社会システムのヒエラルキーに無理して入る必要は無いと思う。逆にその方が実力を出せて結果的に社会貢献できることもある。
見極めが難しいのは苦手だから出来ないのか、怠慢(なまけ)でやらないのかだけど、私の考えでは双方がリンクしている場合も多いと思う。課題に対して真摯に向き合っているかどうかは、姿勢を見ればすぐに分かること。

発達障害の傾向があるって決して悪いことじゃない…というか特定の才能に溢れている証。 才能が社会に埋もれてしまうのは単にもったいない。歴史上の偉大な人物もそう。花神大村益次郎アスペルガー。最近読んだ「殿、利息でござる!」の作者、磯田道史さんも喋り方からしてどうみてもADHD。飲み食いをせず没頭して作業をしていて倒れて救急車で運ばれた経験があるらしい。

私は典型的なPDD。マルチタスクが苦手で、3人以上と会話するのができない。自分の感情を言葉にするのが苦手。最近になってようやくこの自分で良いのだと思えるようになった、読書のおかげ。

社会に適合できない部分もあるけど、それを認識した上でどう関わりを持つか。自分の才能を伸ばすか、また他者の才能を活かすか。
才能に関する良書であったので、発達障害と縁のない方でも是非ご一読を。

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